ふれあう手、支えあう手
利用者のAさんとBさんは、ともに認知症のある方です。
Aさんは特に午後になると、「いつ帰れるの」「どうやって帰ったらいい」とおっしゃることがあります。
不安そうに周りを見回したり、立ち上がり帰ろうとしたりもします。
自宅ではない場所で過ごすことで疲れもあるでしょうし、不安が募るのだと思います。
だけど、Bさんが隣に座っている時は、少し様子が変わってきます。
AさんとBさんはなんだか心が通じ合っているように見えるのです。
横で会話を聞いていると、会話がちぐはぐだったり、繰り返しのやり取りだったりしているけれど、お二人ともお互いがいない時と比べると落ち着きがあります。
ふと見ると、お二人は手をつないでいます。
「あんた冷たい手だねえ」
「あんたの手、あったかいねえ」
なんて言いながら。
お二人のそんな姿は、いつも職員をほっこりさせてくれます。
感染予防で気軽に手をつなげない世の中です。
命を守るため、感染しないように、いろんな対策をとることはとても重要なことです。
でも、それと同じくらい、もしかしたらそれ以上に、ふれあう手は人の心を支えあうのではないかなぁと私は思います。
※和楽では、利用者にもマスク着用をお願いし、手洗いや消毒の徹底などできる限りの対策を行っております。
ご利用の皆様、いつもご協力ありがとうございます。